2024/11/26 21:14
2025年、苺屋あとりゑの畑に新しい仲間が加わりました。その名も「さやか」。この新品種は、愛知県の育種家である水野さんが長年の研究と情熱を注いで開発した特別な品種です。今回は、この「さやか」がどんな特徴を持つのか、そしてどうして苺屋あとりゑが導入を決めたのか、その物語をお届けします。
物足りなさを感じるお客様の声
苺屋あとりゑでは、これまで「ほしうらら」や「かおり野」、「かんなひめ」といった酸味が少なく甘みが強い特徴を持つ品種を栽培してきました。それは、埼玉の「あまりん」や栃木の「とちあいか」ないちごと同様、近頃の多くのお客様に好まれる王道のいちごです。しかし、近頃、常連のお客様やお取引先のパティシエさんからこんな声をいただくことが増えていました。
「最近のいちごは甘くて美味しいけど、酸味がないのがちょっと寂しいね」
「スイーツを作るには、もう少し酸味のあるいちごが欲しいんです」
特にいちごにこだわりを持つファンの方々やパティシエのお客様からは、「昔のいちごみたいな酸味があるものが欲しい」といったリクエストが頻繁に寄せられるようになりました。この声を聞いたとき、私たちも改めて考えさせられました。
確かに、甘い品種は万人に好まれやすく、特に若い方やお子様連れのお客様には人気があります。しかし、「甘さだけではない、いちご本来の豊かな味わいを提供するのもあとりゑの役目では?」そんな思いが、次第に私たちの中で芽生えていったのです。
「さやか」の登場
そんな折、育種家の水野さんが手がけた新品種「さやか」の話を耳にしました。試験的に数株を導入して育ててみると、その味に驚かされました。
ひとくち食べると、さわやかな酸味が口の中いっぱいに広がり、いちご本来の持つ力強さを感じさせます。それでいて、酸味だけが勝つわけではなく、強い酸味に負けない甘みもあり絶妙なバランス。
まさにデザートやスイーツに使うと素材の味が引き立つ、そんないちごなのではないかと感じました。実際に今期の「さやか」をパティシエさんに味見していただきているのですが、「これ、最高だね!」というお褒めの言葉をいただいております。
「さやか」の魅力
- 際立つ酸味:甘さが主流のいちごの中で、他にはない鮮烈な酸味が特徴です。スイーツはもちろん、甘みも強いためそのまま食べても爽快な味わいが楽しめます。
- 美しい見た目:薄紅色が美しく、きれいな三角形。
- お客様の要望に応える味:甘さだけでは物足りない、そんなニッチな声にしっかり応えられる品種です。
苺屋あとりゑからのお願い
「さやか」は、いちごの新たな可能性を切り開く品種です。「甘いだけがいちごの魅力ではない」と感じていただけるはず。もちろん、「ほしうらら」などの甘みを楽しむ品種も引き続き大切に栽培しています。どちらもぜひ食べ比べてみてください。
今期は定植本数が少ないため、数に限りがございます。どうしても「さやか」を食べてみたい方は事前にお問い合わせの上ご来園ください。
苺屋あとりゑはこれからも、多彩な味わいのいちごをお届けすることで、みなさまに日本のいちごの楽しさを提案していきます。今期のさやか」をぜひお試しください!